Pines Lakeの家 2013

Machine Piecing
Machine Applique
Size 110 ×130cm
制作1年 構想7年

ご依頼頂いたのは尊敬する友人のケイコさん。かれこれ12年ほど前(これを書いた完成の2013年からさかのぼるので、いったい何年前でしょう??)、彼女も私も東京に住んでいました。同じ会社に勤めていたのですが、一緒に働けた期間はそれほど長くなかったと思います。それでも落ち着いた声・話し方が大好きで、雰囲気から何から憧れの人でした。そのうちに美味しい手料理をいただく機会などもあり、仲良くさせてもらっていました。

その後ケイコさんはアメリカで暮らすようになり、私は逗子・岐阜と転々として今にいたります。その間にお互い同じ年頃の女の子を授かり、ケイコさんがニューヨークからニュージャージーの夢のような森の家に引っ越して、その写真を見せてもらった時には、いつか行ってみたいと強く思いました。(ご依頼を受けたのはこのころだったと思います)

その思いは人生最大の山場(仕事と子育ての激務)を迎えて、実現出来ない夢となって消えたかと思っていました。それが 、ふと夫から「休もう」と提案されいきなり現実のものに。それも実際に現地に到着してから「そういえばずっとココに来たかったんだ」と気づいたくらい、私は後ろも前も見えていない状況でした。とにかく2011年の夏、家族で滞在させてもらったこのキルトにある家は、本当に素敵でした。ただの旅行ではなく、何となく自分を見失っていた時期でもあったので、友人ご家族の温かいおもてなしと、森の木々や動物たちに毎日癒されながら過ごした数週間は私にとって貴重な時間でした。とにかくこの感謝の気持ちをキルトの端から端まで込めて作ったつもりです。

あの時の旅行についてはこちら。
2011年夏アメリカ旅行記

その時に出した決断に従い、いろいろなことを終わらせて、夫から「制作出来る時間」として1年をもらいました。岐阜へ来て1年。その間に集中して作ろう!とものすごいやる気で引っ越してきたにもかかわらず、なかなか集中力がなかったり、新しい環境に慣れようと頑張っているのに何もかもうまくいかない・・・など精神的に落ち込み苦しい1年を過ごしました。その間にコツコツと作り上げたキルトです。

生み出すことの苦しさは手づくりをする人なら誰もが知っていると思いますが、今回はかなり悩みながらの制作でした。それでも最終的には無事に彼女に手渡すことが出来ました。先日(2013年)日本に帰国した際にわざわざ我が家に寄ってくれたのです。いつか作ってね、と依頼されたあの時から今日までのこと、制作途中の苦しかったこと、短い期間だったけれどこの家で過ごした楽しい時間、たくさんのことを思い出して涙が出そうでした。ケイコさんは、お嬢さんが初めて住んだこの家をキルトとして残し、それをずっと持っていてほしいということで依頼してくれました。喜んでくれた顔を見て、心からホッとしました。

現地でスケッチをしたものや、たくさん撮った写真を見ながら絵を描きあげ、それらをテンプレートとして使うためにさらに詳細を描き込んで下絵を完成させます。次にそれを拡大して実際のサイズにし、そこから生地選びが始まります。生地は作りながらその場その場で選んでいきます。

作り込んでから後で生地を変えることもしょっちゅうなので、かなりのロスはあります。しかし最初から決めておくことも出来ないので、やはり作りながらあれこれ生地を出してきてはその場所にピッタリの色柄を探し出します。行ったり来たり、何度も何度もそれを繰り返し、少しずつ進めました。いつかまたこのキルトに会いに、あの森の家に行きたいです。滞在させてもらった時にいろいろと決断したことがあります。それらをきちんと実行できているか?次回このキルトの前に立った時は自分はどんな人間になっているかな。楽しみです。ケイコさん、たくさんのことを学ばせてもらいました。本当にありがとうございました!

The house in Pines Lake 2013
It took me one year to make it, and seven years to think about it.

The request was made by my respected friend Keiko-san.
About 12 years ago (it’s dating back to 2013, when I wrote this, so how many years ago?) she and I both lived in Tokyo.
I used to work for the same company, but I think I didn’t spend much time working together.
Even so, I loved her calm voice and way of speaking, and I admired her atmosphere.
I had the cooking, and I was able to get along well.

After that, Keiko-san moved to New York. I moved to Zushi and Gifu.

Meanwhile we were given girls of similar age. She moved from New York to New Jersey.
When I was shown a picture of that beautiful house in the woods, I was eager to go there some day.

A few years later, I had the biggest mountain in my life: hard work and parenting.
I thought that my dream of going to a beautiful forest would never come true.

However, one day, my husband suggested that I take a break, and it suddenly became a reality.
After arriving at the forest, I realized that “I’ve always wanted to come here.” I was in a situation where I could not see the back or the front.

Anyway, the house in this quilt that I stayed with my family in the summer of 2011 was really nice.
It wasn’t just a trip. It was a time when I was losing sight of myself.
I was healed every day by the hospitality of my friends and the trees and animals of the forest.
The few weeks I spent were precious time for me.

I expressed this gratitude in the quilt.

After moving to Gifu, I didn’t have much concentration and tried to get used to the new environment, but nothing worked. I was mentally depressed and had a tough year. I made this quilt at that time.

The other day (2013) she came to my home when she returned to Japan. From that time when I was asked for the work to today. I was almost overwhelmed by the pains I had in the process of the work and the summer I spent in the house for a short period.
Keiko-san asked me to make this because she wanted to leave this house where her daughter lived for the first time as a quilt. I was relieved to see her happy face.

I want to go to that forest again to see this quilt someday. I made many decisions during my stay.
Am I doing them properly? What kind of person am I when I stand in front of this quilt next time?
I’m looking forward to it. Keiko-san, I learned a lot. I’m really thankful to you!