学ぶということ・2020年用自己紹介

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色に囲まれた仕事がしたい、と漠然と思っていた20代の頃。学生時代に着付けの資格を取り、まず呉服屋さんで働いた。さまざまな着物(布)の豊かな触り心地、色合わせの奥深さや楽しさを知った。そこから「布」と「色」に対する興味がキルトに繋がった。裁縫の経験なんて全くなかった。テクニック・縫い方は二の次。とにかく自分の感情にまかせて色を選び、布を選び、ひとつひとつの小さなピースを繋ぎ合わせ、作品に仕上げていった。

かつて、鉄棒が大好きで、手にマメがどれだけできても、それが潰れてどれだけ痛くても、毎日毎日公園や校庭の鉄棒でクルクルと回っていた。近所のお兄ちゃんに付けられたあだ名は「サル」。(木登りも大好きだったしね……)あの時の夢中な気持ちは、キルトづくりと同じ。ギターが大好きな娘が、どれだけ指にマメができても、テスト期間中でも、朝晩ギターを弾き続けている。それも同じ気持ち。

そんなワクワクの気持ちから遠ざかり、キルトをはじめたあの頃から25年が経った。この間、留学、結婚、お店経営や教室運営、イベント出店、出産に子育て、さまざまな経験をした。お金のこと、経営のこと、人間関係、失敗続きで疲れ果てたこともあった。
でも、そんな四半世紀を乗り越えて、今がある。子どもたちが遊びに夢中な姿を見て、思い出した。私にもまだまだ夢中になれることがある。

最近勉強や読書が楽しい!語学、色のこと、着物の知識もまた増やしたい。あれだけ勉強嫌いだった子供時代。実は最近まで娘にはこう言っていた。「勉強ができるのは今しかないよ!大人になったら仕事や家族のことを優先しなくちゃいけないのだから。時間が全くないよ。勉強するのはあなたの将来のためだよ。選択肢が増えるでしょ。」でも、今娘に言いたいのはこっち。「今やりたいことに専念していいよ。勉強が嫌いならやらなくていい。いつだってやりたいときに始めればいい。好きな教科だけ頑張ればいい。今しかできないことを思いっきり楽しんで。」

もしかしたら子供時代にたくさん勉強して良い成績をとれば、良い学校に行けて、選択肢が増える。やりたいことがしたくなったときに、学力があれば、それを選ぶことができる。と思うかもしれない。ついこないだまでそう思っていた。だけど、今思えば、どんなに周りにそう言われても、若い頃の私はあれが精一杯だった。そこで周りの言うことを聞いて、やりたいことをやっていなかったら、私は私でなくなっている。それこそ人生がもったいない。

自分が今の娘と同じ年のとき、果たして親の言うことを聞いていたか?全く聞いていなかった。聞こえてはいても、聞こうとしなかった。そんな私に比べたら、会話をしてくれる娘。どれだけ良い子なんだ。笑

自分の意志ではじめる勉強は、モチベーションさえいらない。学校や職業を選ぶための選択肢が増えることよりも、何かにぶつかった時、自分はどうしたいか、どうやって乗り越えるか、周りの意見や状況に振り回されず、臨機応変に自分自身で選ぶ、考えられる力の方が100倍大事、と思う。
親が子供のやることを決めてはいけない、と思う。大学は行った方がいいとか、数学は役に立つから、とか。学歴が欲しかったら、欲しくなったときに努力すればいい。それでは遅い、と思うかもしれない。でも、それも人生。後悔も、意欲の原動力になる。

それでも、小さい頃に『どうして勉強が必要なのか』とか『学ぶことの楽しさ』をもし伝えられたら・・・と思う時もある。親子の会話の中や接し方などで、その辺りをうまく伝え、そして親が自ら学ぶ姿勢をもっと早くから見せていたら、こんな風にわざわざ「勉強をするしない」について考えることもなかったのかもしれない。遊びの延長で学ぶことに興味を持てるように仕向けられたら、どんなに気持ちがいいだろう。

まだ5歳の息子、その辺り意識して接してみよう。

大人になったら時間がない?かつて、毎日仕事に追われていた頃『私には時間がない』と思っていた。でもどこかの本に書いてあった。それはまるで『私は時間を作るために工夫することができない人間です』と不得意なことを言いふらしているようなものだ、と。やる気さえあれば、時間は作れる。洗濯を干しながら、食器を洗いながらでもイヤホンで勉強する(オススメPODCAST)ことはできるし、子どもを寝かしつけながらでも瞑想することができる。(ほとんどそのまま寝てしまうけどね)何かを不自由に感じる時、それならこうしたらどうだろう?と考える力。子どもたちには、常に工夫できる余裕を持った大人になってほしい。

その時々に自分で下した決断は、そのものが自分の経験になる。これまでの失敗を悔しいとか思い出したくないとか、ただ辛い経験として記憶していた。でも今は違う。あの時の自分はあれで良かった。最善を尽くした。そして、そこで終わりじゃなかった。経験が積み重なっただけで、まだまだその先に道は続いている。人生半分しか生きていない私だけど、こんなふうに考えるようになった2020年。コロナのおかげで、親子のつながりや自分の生き方や命、誰かとお酒でも飲みながらじゃないと話せないような壮大な哲学の話、そんなことを深く考えるきっかけになった。

大好きなバティックを商品にした

また、『色に囲まれた仕事がしたい』と思い始めた今日この頃。憧れた環境はもう目の前にあった。いつの間に手に入れたんだろう。ずいぶん長いこと、この景色の中にいたのに。

「出来ないこと、ダメだったこと、失敗に終わったこと」ばかりを気にしていた。でもこの25年の間に出来たこと、残ったこと、作り上げたもの、あったあった。

私がたくさんの人たちにサポートしてもらいながら作り上げた小さな世界【コトコネ】はまだ健在です。(笑)
今のわたし、の自己紹介でした。

The Cotton Connection Fabrics