心地良いと感じる配色の見つけ方

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ハワイアンキルトやパッチワーク、アートキルト制作中にふと色選び、布選びで立ち止まったことはありませんか?おそらくほとんどの方々が悩んだ経験があると思います。制作する前、もしくは制作しながら、誰もが通る道ですね。

「そこが楽しい!」と思う人と、「そこが辛い、誰か決めて…」という人。あなたはどちらですか?私は前者ですが、もちろん悩みに悩んで決まる時もあれば、一瞬で決まる時もあります。感覚で生きている(笑)私はたいてい一瞬でお気に入りの配色を見つけるのですが、あとから「これで良かったかな、あっちの方が良かったかな」とネチネチ悩むことは多々あります。

好きな色(布)は人それぞれ。
同じ色でもその人によって見え方が異なるので、心地良いと感じる色の組み合わせも十人十色、千差万別。さらにキルトの場合はそこに布の柄と質感(素材)も加わります。

色の見え方・感じ方も人それぞれ。
アートの世界の作品づくりにおいて「配色の正解」はないと思います。
(仕事で誰かに依頼されて制作する場合や、ハワイアンキルトにおける色の意味などを尊重する場合はそれに従うのも一つのやり方だと思います)

それでも!色選び、布選びに迷った時に配色の参考になるものがあれば…とずっと考えていました。イベントでのお客さまや教室の生徒さんから一番よく聞かれた質問は、

「この生地(色)に合うのはどの生地(色)ですか?」
「これにはどの色を合わせればいいですか?」

私はその時々の感覚(ほぼ自分の好み)で答えていましたが、一番良いのは、ご自分で、さまざまな配色サンプルの中から「これがいい!」とお気に入りを見つけ、制作に生かし、楽しめること。
心地よいと感じる色に囲まれて制作するのはとても気持ちが良いものです。「あまりこの色は好きじゃないのだけど、先生に言われたから・・・」とおっしゃるお客様に何度もお会いしました。

色選び・布選びから制作ははじまっている
と思います。誰かの作品を参考にしたり、先生のアドバイスを聞いてみたり、それらはもちろん自分の好みの傾向を見つける第一歩です。でも、もし確信を持って自分の色はこれ!と見つけられたら、作品づくりはもっと楽しいものになるはず。(それでなくても十分楽しいですけど!)

まずはひとつ、好きな色(布)を見つけます。全てはそこから始まります。
例えば私が大好きな色布、Fossil FernのSea Crystalを選んだとします。それをもとに色布の組み合わせを考えると・・・

Fossil Fern【SEA CRYSTAL】
色・布の組み合わせサンプル
同じまたは類似色相、異なる明度での組み合わせ

生地画像の色味が撮影した時期、場所、ご覧になる環境によって異なるため、若干見づらいかと思います。ご了承ください。

一番左がメインに選んだSEA CRYSTALです。
・ほぼ同じ色相で、明度(色の明るさ)の違うもの
・似たような色相で、明度の違うもの
などを合わせてみました。一番選びやすい方法ですね。私は青みがかった緑、緑がかった青のようなターコイズブルーが大好きなので、最高の組み合わせです。(笑)


少し異なる色相をアクセントに入れた組み合わせサンプル

こちらでは、左から3番目がメイン生地のSEA CRYSTALです。
先ほどの似たようなブルーグリーン系の配色から少し飛んで、明るいイエローを入れてみました。上記のものと比べると、明るく垢抜けた印象です。ほんの少し冒険が入りましたが、こちらも大好きな組み合わせ。

【配色のまとめ】
ひとつこれという色を決めたら、そこに
・同じ色で明度(色の明るさ)の異なるものを持ってくる。
・似た色相(ここではブルーに近いグリーンなど)を合わせる。
・少し異なる色相(ここではイエロー)を加える。
・または、まるっきり正反対の色相で、同じトーンのものを選ぶ。

などいくつもの方法があります。もちろん、最初にひとつを決めずに2色を決めてからでもいいと思います。これらはその昔、古くは古代ギリシャの哲学者たちから現代の有名な先生がたまで、様々な研究がなされ、どの色の組み合わせが調和するか?という色彩調和という考え方から導き出されたものです。(でも好みは十人十色。これが大前提。)

このような知識は、感覚に頼ることに疲れたとき(笑)や、いつもとは少し違った雰囲気を探していたりするときなどにも役立ちます。

色相(しきそう、: hue[1])は、オレンジといったの様相の相違である。

https://ja.wikipedia.org/wiki/色相

色の様相の相違・・・ってまた難しいですね。簡単にいうと、色相とは赤や青、黄色などの色みや色合いのことです。私は「最近ターコイズブルーが大好き」ですが、娘は「オレンジとブルーが好き」と会話をしているとき、「色相(色み)について話している」ことになります。
例えば教室などで色や布を指差しながら「この赤よりもうちょっと暗い赤が欲しいな」などお話をするのは簡単ですが、オンライン上やメールの文章、電話などで話をするとき、色の3属性(色相・明度・彩度)について知っておくと伝えやすくなります。

DotBatiks and Fossil Fern